AR-DV10がTETRAトランクモードに対応!

AR-DV10のファームウェアが v1904A (BETA)にバージョンアップされました。

今回のバージョンアップの目玉機能はTETRAのトランクモードへの対応!です。

ということで、前回AT-DV1のTETRA対応の時に未調査だった羽田空港に行ってきました。

最近久しぶに羽田空港のANAを利用して、旅客の無線がスマホのアプリに変わっていてビックして、実際にANAのTETRAへの対応状況がどうなっているのか気にもなっていたのです。

v1904A (BETA)の内容

まずは今回のバージョンアップのリリースノートの確認です。

T-TCモード対応が目的

The following feature has been added:

– Addition of T-TC mode (for Tetra Traffic Channel)

今回のバージョンアップは、T-TCモードの追加だけです。

完全にTETRAへの対応というだけです。

実際に英語のリリースノートにはそのように書いてあります。

Important: This is BETA firmware of which only purpose is for you to test voice decoding of the traffic channels of Tetra trunking networks. For normal receiver use (other than trunking), please use the stable firmware release 1903D.

(重要:このベータ版ファームウェアは、TETRAトランクモードの音声デコードのテスト用です。それ以外の利用にはより安定している1903Dをお使いください。)

もちろん私の目的はTETRAのトランクモードの受信ですから、ためらいなくバージョンアップです。

VFOモードでしか機能しない?

To enable this new mode, select the newly added T-TC button in the MODE menu (second page).

Only works in VFO reception. Scan and search for T-TC not supported at this point.

コン機能はVFOでの受信でしか機能しません。T-TCモードのスキャンとサーチは、現時点ではサポートしていません。

TETRAトランクモードはVFOモードでしか動作しないとのことで、違うチャンネルを聞きたいときは、ART-DV10の

うーむ、なんか面倒臭そうです。

せめてメモリーに周波数を記憶できるといいのですが。

スロットは自動選択

Slot selection is only AUTO. Manual slot selection not supported at this point,

(そろっとの選択は自動です。マニュアル選択は現時点ではサポートしていません。)

TETRAには「スロット」という概念があるようで、一つのチャンネルに4つくらいのスロットがあるようです。

AR-DV10のスロットは自動でしか選択できないようです。TETRAのシステムをよく理解していない自分はあまりよくわかりません。

「現時点では」ということは、将来的にはマニュアル選択もあるということでしょうか。

ベータ版利用の注意点

1904Aは現時点ではベータ版で、しかもAORの英語版ホームページのみに掲載されています。

AR-DV10は、今回のリリースノートでは「安定している」と書かれていますが、私の利用環境では「電源がすぐに切れない」といか、「長時間使っている操作を受け付けなくなる」とか、「充電ができなくなる」とか、おかしな挙動が多くなっています。

そんな状態ですから、ベータ版に何が起こるのか想像できたものではありません。

バージョンアップは慎重にしましょう。

 

バージョンアップして羽田空港へGo!

とにかく1904Aにバージョンアップして、羽田空港に行ってみました。

聞こえる。聞こえる

羽田空港に着いて461MHz帯でVFOモードでダイヤル回して調査開始。

聞こえる、聞こえる、空港内の業務無線が。

ウエイトとかノーショーとか、整備完了しましたとか。

空港内の業務無線がどんどん聞こえてきます。

通話内容が突然変わる

スロットがオートなんで、TETRAの通話が行われている周波数に合わせていると、今までの会話が突然別の会話に変わったりして、聞いていてもなんか落ち着きません。

周波数はメモリーできる

英語のリリースノートには「VFOモードでしか受信できない」と書いてあるわけですが、試しにTETRAの通話が行われている周波数をメモリーチャンネルに登録して、メモリーモードで受信してみましたが問題なく聞くことができました。

スキャン不可

TETRAは常時電波が出ているのでメモリースキャンはできません。

AR-DV1は遅いながらもスキャンはできたんで、VFOモードでしか使えないというのは、スキャンができないという意味のようです。

成田と比べて羽田は圧倒的に通信頻度が高いんで、一つのチャンネルに合わせていても結構楽しむことができますので、聞き流す程度の受信であればスキャン入らないような気がします。

ANA旅客は聞こえない

やっぱりANAの旅客の通信は聞こえませんでした。

JALは盛んに聞こえてきましたので、JALはTETRAに変更になったのでしょうか。

自分は飛行機はANA派でJALはほとんど使わないので、状況がよくわからないのが残念です。

空港業務の通信が聞こえるようになったのは嬉しい

とにかく空港業務で使用しているTETRAのトランシーバーの交信が聞こえるようになったのは純粋に嬉しいです。

特定の組織の通信を追うなどはできませんが、通信が行われているチャンネルに合わせていると、実に様々な通信を聞くことができます。

飛行機搭乗前の何もすることがない時間に、空港内の通信を聞くことができるのはとても楽しいことではないでしょうか。

 

TETRAが聞くことができる唯一のハンディ機

これでAR-DV10は、世界で唯一のTETRAを手軽に聞くことができるハンディレシーバーではないでしょうか。

航空ファンには手放せない一台になること間違いなしです。

コメントを残す

関連記事

無線マニア失格な自分

NO IMAGE

特定小電力トランシーバーをJリーグで使う

電子機器の雑音はアマチュア無線の大敵

アマチュア無線という趣味

Jリーグでトランシーバーの通信を受信

IC-R30のBluetooth機能を使ってみた