山形県小国町で宿泊:いづみ旅館

地方を旅行していると、たくさんの魅力的に街に出会います。
なんの変哲も無い街なんだけど、人が暮らしている雰囲気を感じることができる魅力のある街。
そんな街にかぎって、大規模なスーパーやチェーンホテルなどがなく、簡単に街の魅力を楽しむことができません。
宿泊先はあるけど、多くの場合、その宿泊先のホームページすらないことがほとんどです。

山形県小国町

そんな魅力的な小さな街の一つ、山形県の小国町。
昔は東芝系の会社の大きな工場があり、その会社とともに発展してきた町ですが、今では東芝も資本を引き、その会社はその後2社に分離してしまいました。
今でも、小国駅の北には大きな工場があり、やはり小国町は企業中心の街であり、生活している人や町外から訪れる人の多くが企業関係者ばかりという状況のようです。

地方都市の小さな街であっても、企業城下町の場合、出張者向けに宿泊施設や飲食街はそこそこ整っていることが多いです。
それらの宿泊施設や飲食店は、企業関係者向けでほとんど営業が成り立ってしまうので、インターネットなどを使って積極的に広報することがなく、地元の人以外に施設の情報が提供されることはほとんどありません。
例えばGoogleで検索して見ても、小国町の宿泊施設や飲食店の情報が全く出てこないという、このGoogle全盛の時代において、信じられないような状況なのです。

駅前にビジネス旅館が一つ

さて、そんな街をなんとか探索してみたい、という思いが随分前からありました。
何回か車で通りかかって下調べし見ると、駅前にビジネス旅館があります。
でも、やはり、Googleで検索してみても、施設が運営するホームページが出ないどころか、宿泊者したというブログもほとんどありません。
どういう場所なんだろう?
情報がないなら、泊まってみるしかない!
ということで、青春18きっぷの期間ということもあり、鉄道で小国町を訪れることにしたのでした。

いづみ旅館

駅から徒歩1分に立地するビジネス旅館「いづみ旅館」
駅前に立地するも、駅から直接建物を見ることはできません。
駅前通りからいくと、看板に従ってかなり細い道を歩かなければなりません。
駅前から見える郵便局の横にある広い道を通ると、旅館の前に行くことができます。

外見は鉄筋コンクリートで立派ですが、豪雪地帯だからなのでしょうか、階段で少し登らないとホテル入り口にたどり着けません。

受付

たどり着いたホテルの入り履を中に入ると、巨大な紫水晶が出迎えてくれます。
玄関で靴を脱いでホテルに入るのですが、靴箱に靴が入りきらないという、既に一見さんお断り的な雰囲気です。

受付も狭く、いろいろなものが置いてありスッキリしない印象。
私がチェックインした時は、先客がチェックインの真っ最中でしたが、服装は作業着。やっぱり、企業関係者が宿泊する場所のようです。
私以外は、すべてある企業の作業者の方のようでした。

なんと!Free Wi-Fiが使えるらしい

受付には大きなNTTのFreeWi-Fiのポスターが。
こんな小さな街の旅館でもインターネットが使える世の中なんですね。
でもその後、どこを探してもパスワードが見当たらずインターネットに接続できないという問題が発生します。

3階建の3階に宿泊

自分の部屋は3階建ての3階。
インターネットでの予約になんか対応していませんから、電話で予約するのですが、その時の対応がとても人懐こかったのですが、受付で対応してくれた人は多分同じおばちゃん。
一人で旅館を切り盛りしているようです。

部屋にはビジネスホテルとして最低限の設備が完備

風呂とトイレは風呂についていました。

これは「旅館」だからという事前の予想を見事に覆されました。
ただし、トイレとバスルームは一緒だし、お世辞にも綺麗とは言えません。
もちろんウォシュレットなど望むべくもありません。
1階には共同風呂もあるようです。

一応ベットですが、シールや布団類はパリッとした感じは全くなく、不潔ということではありませんが、なんとなーく好ましくないような雰囲気がプンプンです。

スナック併設

この旅館にはスナックが併設されています。
受付に「スナックは7時から営業」と書かれています。
7時以降に受付周辺を何回か通りましたが、受付にはおばちゃんはいませんでした。
どうも、受付のおばちゃんが7時以降はスナックのママさんに変身!ということのようです。
さすがにスナックに行く勇気はありませんでした。

朝食は結構美味しい

夕食は周辺の飲食店でとるつもりでいたので、旅館には朝食のみを頼みました。
家庭料理の雰囲気プンプンの食事は、ちょっと味付けが濃かったですが、とても美味しいものでした。
ホテルの朝食って、特にチェーン店の朝食は、レトルト品の雰囲気プンプンの食事が多いので、家庭料理はとても貴重です。

朝食をとる場所は、二組入ったら満室のような小さな食堂。
そしてこの食堂で、衝撃の事実を発見することになります。

夜にどうしても見つからなかったFree Wi-Fiのパスワードが、この食堂の奥まったところに貼ってありました。
こんなところに貼っても、夜は食堂を使わない人が多いからわからない!
せっかく設置したFree Wi-Fi。なんのために設置してあるのかわさっぱりわからない。

手入れが行き届かず古びた合宿所

「いづみ旅館」の感想を一言で言えば「手入れが行き届かず古びた合宿所」という感じです。
そこかしこに意味不明な物品が置いてあったり、一階の奥には共同浴場と洗濯コーナー。さらに奥にはおばちゃんの部屋があり、ドアが開け放たれています。

夜はスナックのカラオケの音が漏れてくるが・・・

夜はスナックから漏れてくる音が気になりますが、それも夜10時まで。
それ以降はさすが鉄筋コンクリート、隣室の音も気になりません。

もう一度泊まるか?

もう一度止まるかと問われれば「うーん・・・」となってしまいますが、それなりな快適さもあり、旅程上選択肢がなければ泊まるかもしれません。
小国駅から新潟方面への最終列車が19時57分発です。
小国町で一杯ひっかけてから最終列車に乗っても21時22分には新潟についてしまうんです。
翌日、朝から小国で活動する必要がない限り、つまり、普通の旅行者は、小国駅前に止まる理由は特にありません。
無理に小国に泊まらなくても、新潟方面に出て、新発田や新潟のビジネスホテルに泊まった方がよほど快適なのではないかと思ってしまったのでした。
それでも、特に不都合はなく、普通のビジネスホテルにはない人間味こそがこういった宿泊施設に泊まる醍醐味なのは確かです。

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