春秋航空に乗ってみた

佐賀に行く用事があったので、佐賀にもLCCである春秋航空が就航したということなので乗ってみました。
春秋航空というと中国の航空会社ですから、なんとなく心配という方もいらっしゃると思います。
LCC自体がちょっと心配なのに、ましてや中国の会社だからできれば避けたい、なんてことになるのではないかと思います。

国内線は日本の会社

国内線に就航している春秋航空は、実は春秋航空の子会社である春秋航空日本(Spring Japan)という日本の会社です。
航空管制での無線のコールサインは、春秋航空がAir Spingとしているのに対して、春秋航空日本はSpring Japanとなっており、経営母体は中国だけど、日本の航空会社と思っていいようです。
実際のおもてなしは、LCC特有である面を除けば、いたって普通の航空会社のものでした。

いざ、春秋航空で佐賀へ

そんなわけで、成田発佐賀行きの春秋航空に乗ってみました。

春秋航空も他のLCCと同様に第3ターミナルを利用

成田空港第3ターミナルは、空港のターミナルという常識を覆すような簡素、コンパクトな施設です。
天井は配管がむき出しだでスペースは狭く、航空会社からのアナウンスは空港独特のゆっくりとしたアナウンスではなく、せき立てられるような早口なアナウンスです。
アジアの市場の喧騒の中にいるような感じです。
個人的にはヨドバシカメラの売店にいるような感じがしました。

そんな独特の雰囲気の中、春秋航空はジェットスターや大手航空会社のようなオンラインでのチェックインではなく、カウンター横にあるチェックイン機かカウンターでチェックインをすることになります。

今時珍しいチェックインカウンター

春秋航空は機内持ち込み荷物の重量制限が厳しくて、一人5Kgまでとなっています。
5Kgってどれくらいかというと、宿泊旅行でかつパソコンを持って行く場合などは、カバンの重さによってはどうしても荷物の合計が5Kgを超えてしまう、そんな感じです。
こなると、パソコンはどうしても機内持ち込みせざるを得ず、その他荷物を預ける必要が出てきてしまいます。

チェックインカウンターは最大の関所

ということで、チェックインカウンターに行ったところ、日本語は喋れますが日本人の係員ではありませんでした。
いきなり出鼻をくじかれたような感じになりました。
日本人なら、ルールを超えた重量でも「少しぐらいはいいですよ」とか「ご協力をお願いします」になりますが、外国人だと「ルールでダメです」と、取りつく島もありません。
確かにルールはルール、きちんと守らないと乗れないだけです。
ルールに関する話だけ、ちょっと無愛想な感じがありましたが、それ以外は特に問題はありませんでした。
チェックインカウンターで預ける機内預け荷物も、預けた後にX線などにより厳しい内容物チェックを受け、機内に持ち込まなければいけないバッテリなどが入っていると、呼び出しを受けて荷物を取り出すように言われてしまいます。

厳しいのはチェックインカウンターだけで保安検査場はすんなり通過できる

これだけチェックインカウンターで厳しく荷物をチェックされるわけですから、保安検査場の通過は比較的楽です。
保安検査場への入り口が、想像を絶するほど簡素であることを除けば。

LCCは成田空港では、空港使用料を低減するために建物から直接飛行機に搭乗するのではなく、タラップを使って乗り込みます。
場合によっては、飛行機までバスで移動することになりますが、今回の春秋航空は、バスで移動する方式でした。
ANA利用の羽田空港でも、地方選を中心にごくたまにバスでの移動はありますから、このあたりは全く気になりません。

滑走路が1時間閉鎖というトラブルに遭遇

登場した時は、大きなトラブルが発生しました。
滑走路にサービス車両が接近してしまったため、滑走路が一時閉鎖になったのです。
このため、成田空港は大混乱。
私の乗った春秋航空は、乗客が全て搭乗しドアが閉められた後で、出発できないという状況に陥ったのです。
この時の民間航空機のフライト状況を見ることができるFlightradar24というサイトの状況は以下の通り。

離陸を待つ飛行機で数珠繋ぎな状態がよくわかります。

春秋航空日本の神対応

このトラブルでの春秋航空日本の対応は神対応でした。

1時間以上の遅延が見込まれたのに、欠航にならなかった

トラブル後のジェットスターは、全便欠航になったそうです。
乗客を乗せたままの状態ですから空調を使わざるを得なく、コストに厳しいLCCには結構辛いことだと思うんですけど、そのまま待機してくれました。

携帯電話の使用を許可してくれた

1時間以上の遅延が見込まれると管制官から告げられた以降、パイロットはドアが閉鎖された状況にもかかわらず、電波を使ったスマホなどの使用を許可してくれました。
LCCですからWi-Fiなどついていません。
電波を使えれば、予定が遅れることを必要な人に連絡することができるでしょう。
各自今の状況をインターネットを使って調べることもできます。
もちろん、暇つぶしをすることもできます。
あまりこういった長時間出発の遅れが見込まれる状況に遭遇したことはありませんが、これって当たり前の対応なんでしょうか。
私は、この対応が一番嬉しかったです。
おかげで、成田空港がどんな混乱状況なのか、FlightRadar24で調べることができたのです。

肝心のフライトは?

さて、なんとか離陸した後のフライトの状況、つまり航空会社の基本部分はどうだったのでしょうか。
座席は一応革張りで、JRの新幹線についている椅子よりは随分とマシです。

値段によって前後の座席間隔が変わるということで、自分の乗った座席は前後間隔が一番狭い席でしたが、特に他の航空機に比べて狭くてどうしようもないという感じではありませんでした。
機内の設備はさすがに豪華さのかけらもありませんでしたが、フライト時間が短いので特に気になりません。
気流の関係で巡航時にちょっと揺れたのと、着陸の時に大きな雲の中を通過していく大胆さは、既存の日本の航空会社にない部分と感じました。
しかし、成田空港でのトラブルで2時間近くスケジュールから遅れていたから、若干の快適性を犠牲にしてもなるべく早く到着したかったのかもしれないので、あまり春秋航空を責められないと思っています。
初めての中国系のLCCでしたが、特に問題はないように感じました。
ANAに比べると半額以下で佐賀に行けるのは、かなり魅力的です。

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